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アーティスト ステートメント

我妻恵美子

2011年の東北大震災で故郷が壊滅的な被害を受けました。変わり果てた景色を見て私は強い虚脱感に襲われましたが、一つ一つの行動によって落胆の底から次第に芽生えていく再生力に気がつきました。

 

それ以来、私の創作活動は変わりました。知識より身体経験の方が大事だと思うようになり、言語以前の身体の原始的な在り方を探究しています。

 

私は1999年に舞踏と出会い、「空っぽの体にイメージを招き入れ、それによって動かされる」という踊りに衝撃を受けました。 自分には周囲に強く己を主張するような意思や個性がないと思っていましたが、私の体が何にでもなれるのなら、この空虚さが最大の長所になると思えたからです。

1960年代に誕生した舞踏は西洋文化に対する劣等感や既存の価値観への疑いを原動力とし、日本土着の文化、ここにある体そのものに目を向けることで新たな表現形態を生み出すことに成功しました。

 

私は白塗りに「個人にまとわりつく制限を消す」という意味を込め、さまざまなレッテルを消すことで可能性を見出したいと考えています。

人の体、人と人の間、土地、空間からその時に生まれる現代性と普遍性を全身で吸収し、今ここ私あなたでしかできない作品を産み出します。

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